
放課後の校舎は、昼間とはまったく違う空気に包まれる。
特に音楽室は、なぜか足を踏み入れたくなくなる場所のひとつだ。
静まり返った室内。
ピアノ、楽譜、そして壁に並ぶ——音楽家たちの肖像画。
学校の怪談として昔から語られてきた
「音楽室の肖像画」にまつわる怖い噂を紹介する。
音楽室の肖像画とは?
多くの学校の音楽室には、
ベートーヴェンやバッハ、モーツァルトなど、
有名な音楽家の肖像画が飾られている。
昼間は何の違和感もないその絵だが、
夜や誰もいない時間帯になると、
不思議な現象が起きると言われている。
よく語られる怖い噂
音楽室の肖像画に関する怪談で、特に多いのが次の話だ。
- 目が合った気がする
- 見ていないはずの絵がこちらを見ている
- さっきまで横を向いていたのに、正面を向いている
- 教室を出たあとも視線を感じる
中には、
「瞬きをした」
「笑ったように見えた」
という噂まである。
夜の音楽室で起きると言われること

怪談は、肖像画だけにとどまらない。
- 誰も触れていないピアノの鍵盤が鳴る
- 楽譜が勝手にめくれる
- 椅子がきしむ音がする
そうした現象と一緒に、
壁の肖像画が“見ている”と感じた瞬間、
急に空気が重くなるという話も語られている。
なぜ音楽室なのか
音楽室は、
昼間は授業で使われるにぎやかな場所だ。
しかし放課後になると、
- 照明が落とされ
- 音が響きやすく
- 外界から切り離された空間になる
その静けさが、
肖像画の存在を強く意識させるのかもしれない。
壁にずらりと並ぶ視線に囲まれていると思うと、
自然と背筋が寒くなる。
地域や学校ごとの違い
この怪談も、
学校や地域によって少しずつ違う。
- 特定の人物の絵だけが動く
- 見返してはいけないと言われている
- 名前を呼ばれるとよくない
どれも共通しているのは、
「夜の音楽室では、肖像画を意識してはいけない」
という点だ。
今も語られ続ける理由
校舎が建て替えられても、
肖像画が新しくなっても、
この噂はなぜか消えない。
誰かが見間違えたのか、
気のせいだったのか——
真実は分からない。
ただ、
夜の音楽室で一人きりになったとき、
無意識に壁を見てしまう人は多いはずだ。
もしその瞬間、
確かに目が合ったと感じてしまったら……
その場を離れたほうがいいかもしれない。
まとめ
音楽室の肖像画の怪談は、
学校という身近な場所にあるからこそ、
今も多くの人の記憶に残っている。
本当かどうかは分からない。
けれど、
夜の校舎で音楽室の前を通るとき、
視線を感じたなら——
振り返らないほうがいいだろう。


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